2025年12月3日(水)から5日(金)の3日間、幕張メッセで開催された食の技術展示会「食品工場の自動化・DX展 フードテックジャパン(食品工場Week内)」。
最新の食品製造技術や自動化システムが並ぶこの会場に、私たちびっくりドンキーもブースを出展しました。
「えっ、びっくりドンキーが展示会? 新しいハンバーグソースの発表?」
そう思われるかもしれません。しかし、今回私たちが展示したのは、商品ではありません。なんと、「ハンバーグを自動調理するロボットシステム」です。
いつもはハンバーグをお届けしている私たちが、なぜ「ロボット」の研究開発に挑んでいるのか。当日の様子と共に、このプロジェクトに込めた私たちの想いをレポートします。
目次
なぜ、ハンバーグレストランが「ロボット」を作るのか

ブースの真ん中に設置されたのは、コンテナのような巨大なキッチンシステム。その中では、アーム型ロボットたちが動き回り、ハンバーグを焼いています。
私たちびっくりドンキーは、外食企業であり、機械メーカーではありません。それなのに、なぜ自社でここまでのシステムを研究開発しているのでしょうか。
その背景にあるのは、激しく変化していく社会の中で、「これからもお客様に価値を提供し続けるにはどうあるべきか」という問いです。
未来の「可能性」を広げるための実験

研究開発担当者は、このプロジェクトの意味についてこう語ります。
「このロボットシステムが、そのまま未来のびっくりドンキーの『正解』だとは思っていません。ただ、社会が大きく変わっていく中で、私たちも変化を恐れず、様々な角度から可能性を探る必要があります」
こうしたシステムを実際に形にしてみることで、「これからの社会において、私たちはどうあるべきか」という議論をより深められると考えています。
また、ロボットと協業することで、そこで働く「人」の役割も進化させていきたい。そんな想いも込められています。
調理の工程や重労働をロボットが担うことができれば、私たち人間は、より「ホスピタリティを高める」仕事に注力できるようになるはずです。
お客様が何を求めているかを察する気配りや、ホッとするような温かいおもてなし。そういった、人にしか生み出せない「付加価値」を高めることこそが、これからの店舗には求められます。
機械ができることは機械に、人にしかできないことは人が。その分業ができたとき、私たちが提供できる価値はもっと大きくなる。そんな未来を描いています。
もしこの技術が確立されれば、これまで出店できなかった場所にも、びっくりドンキーの味をお届けできるようになるかもしれない。あるいは、店舗での働き方が大きく変わるかもしれない。
これは、私たちの「可能性」を広げるための、あくなき挑戦のひとつなのです。
社外への「公開」
また、今回はあえて開発途中の段階でシステムを公開しました。
私たちはハンバーグのプロですが、機械に関してはまだまだ研究中の身です。
私たちの取り組みをオープンにすることで、技術を持つ企業の皆様に知っていただき、もし共感していただけるなら、何か新しいつながりが生まれるかもしれない。
そんな期待も込めての出展となりました。
「自動調理ロボットシステム」の現在地

では、実際に会場で披露されたシステムはどのようなものだったのでしょうか。
それはまさに、「小さなキッチンが丸ごと入った箱」。
注文が入ると、ロボットアームが冷蔵庫からパティを取り出し、オーブンに入れて焼き始めます。そして自動でディッシュ皿のセット、ライス・サラダの盛り付けと流れるようにハンバーグディッシュが出来上がります。
もちろん、すべてをロボットや自動化で完結させるわけではありません。
現状は、3名以上のスタッフが中に入り、盛り付けを整えたり、食材を補充したりと、ロボットと「協業」しながら調理を進めます。人間とロボットが肩を並べて働く、そんな新しいキッチンの形がそこにはありました。
現場スタッフが感じた「未来」

今回の出展には、実際に店舗で働いている若手がスタッフとして参加しました。
普段、お店で調理を担当している方々の目には、このロボットはどう映ったのでしょうか。
ロボットは「後輩」みたい?
「最初は圧倒されました。自動車工場のようなアームが、自分たちが毎日扱っているハンバーグを焼いているなんて…」
参加したスタッフからは、驚きの声が多く聞かれました。
実際に一緒に働いてみると、ロボットならではの得意なこともあれば、人間がフォローしてあげないといけない部分も見えてきます。
「一生懸命動いている姿を見ていると、だんだん可愛く見えてきて(笑)。ミスをしたらフォローしてあげたくなる、新しい『後輩』みたいな感覚でした」
「サラダの盛り付けなど、自動化だからこそできる良さも発見できました」
ロボットに仕事を奪われるのではなく、どうすれば一緒にうまく働けるか。現場のスタッフたちは、すでにそんな視点で未来を見つめていました。
これからも、挑戦は続く

3日間の展示を終え、開発チームは確かな手応えと共に、多くの課題も持ち帰りました。
コスト、設置スペース、そしてハンバーグの品質。実用化に向けてクリアすべきハードルはまだ山積みです。
しかし、私たちは立ち止まりません。
「いい日をつくる、一皿を。」
これからも社会に価値を提供し続けられるように。
このロボットプロジェクトに限らず、私たちはあらゆる角度から、新しい挑戦を続けていきます。
びっくりドンキーの模索と挑戦は、まだ始まったばかりです。




